横浜国立大学の法科大学院が募集を停止しました。志願者数が減ったため。首都圏の国立系ロースクールでは初の募集停止となります。
法科大学院は費用が高い
今回の横浜国立大学に限りませんが、法科大学院は学費の高さが特徴です。現役の弁護士など実務家教員が多い点を考慮しても、高いと思う方が多いでしょう。
そして司法試験合格後も司法修習で費用が掛かります。従来の貸与制から給付制に変わりましたが、司法制度改革前の給付制よりも額面が減っています。
適性試験も中止へ
法科大学院の選考材料として「適性試験」が利用されていました。これも受験者数の減少のため、平成30年度から中止になっています。
募集停止の決定的な理由は「予備試験」
今回の横国ローの募集停止ですが、やはり「予備試験」が決定的な理由のようです。
法科大学院、神奈川ゼロに 横浜国立大19年度に募集停止
6/5(火) 23:27配信(中略)
5日に会見した法科大学院を統括する泉宏之教授は「期待に添うことができなくなったことは、誠に遺憾。深くおわびする」と謝罪。同大の長谷部勇一学長は「本当に残念」とし、志願者数減に歯止めが掛からなかった要因に、法科大学院を経ずとも司法試験の受験資格が得られる「予備試験」を挙げた。引用 ヤフーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180605-00026462-kana-l14
(リンク先の記事は削除されています。また太字部分は筆者によるもの)
参考記事 カナコロ(記事は非公開となりました)
近畿大学法科大学院も撤退へ【関西でも】
この横浜国立大ローの撤退のニュースは2018年6月初旬でしたが、中旬には近畿大の法科大学院の撤退も報道されました。
近畿大、法科大学院の募集停止=定員割れ続き
6/13(水) 16:40配信 時事通信近畿大(大阪府東大阪市)は13日、法科大学院の学生募集を2019年度から停止すると発表した。
定員割れが続き、状況の改善を見込むのは困難と判断した。
同大によると、04年度の開設から17年度までの修了者は計211人で、うち司法試験合格者は56人。開設当初60人だった入学定員を今年度は20人まで減らしたが、入学者は5人だった。
引用 時事通信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061300842
なお現在までに、静岡大・白鴎大・大東文化大・龍谷大・島根大・明治学院大・新潟大・信州大・東北学院大などの法科大学院が撤退しています。
参考記事「法科大学院撤募集停止(撤退)ニュースまとめ、予備試験は人気に!」
また基礎的な実務を覚える場として、司法研修所もあります(司法制度改革によって修了年数が短縮された)。このような点からも法科大学院よりも予備試験に挑戦するのがおすすめです。
予備試験は「費用」も「時間」もメリットがある
募集停止になったロースクールの共通点は「志願者数の減少」です。これは「予備試験の受験者数の増加」と関連性があります。というか一番の理由でしょう。
予備試験のメリットは、「費用」と「時間」です。
ロースクールの学費(+未修なら3年、未修なら2年の生活費)も掛かりませんし、受験資格がないので、勉強さえすれば即受験が可能です。
さらに最近ではIT環境の発達を背景に、「資格スクエア」など従来のスクールよりも手軽に予備試験の合格を目指すことも可能になりました。
【資格スクエア】論文攻略講座・導入編 サンプル講義
高野泰衡先生が論文攻略法を動画で解説しています。
【まとめ】法科大学院でも予備試験でもどちらにせよ、一日も早く司法試験に合格することが大切!
司法試験に合格することは、通過点に過ぎません。その後の研修や実務を通して経験を積むことが大切です。この点からも、「費用」「時間」の面でメリットがある予備試験がおすすめなのです。