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司法試験の合格に向けて行政書士試験を受験する必要がある?

2016年2月12日

司法試験と行政書士試験のダブル受験をするケースが多いです(正確には「多かった」)。これは司法試験の短答式と行政書士試験では、行政法・憲法・民法・商法(会社法)が試験科目として共通するためです。

しかしこれは過去の話。2016年2月現在の話で言えば、司法試験の短答式は、民法・憲法・刑法の3科目です。もちろん行政法は出題されません。したがってダブル受験のメリット・必要性はなくなっていると言えるでしょう。

もっとも行政書士試験は11月に行われるため、短答式のシミュレーションとしては役立つ面も否定できません。この辺りについては、司法試験講師ブログ等で大手スクールの講師の方の意見も参考にされると良いと思います。

また残念ながら司法試験に不合格になって、行政書士としてスタートを切る方も少なくありません(行政書士は試験に合格すれば、研修等はあるものの、原則としてすぐに独立開業が可能)。その視点で言えば、今なお、司法試験と行政書士試験のダブル受験は意義があると言えます。

学習する学生

ただし注意点があり、行政書士試験の商法会社法ではマイナー論点が出題されることがあります。したがって法律系の下位資格だからと言って満点を目指すと、意外と苦労されると思います。司法試験対策において行政書士試験は「シミュレーション」であり、6割の合格ラインを越えることだけを考えるのがベストでしょう。行政書士試験の分析、科目ごとの特性はこちら

そしてもうひとつ注意点があります。それは行政書士試験の一般知識です。文章理解や個人情報保護など、出題が硬いテーマが存在する一方で、時事的な出題も少なくありません。このような問題には普段から新聞等を読むことはもちろんのこと、公務員試験や就職試験用の時事問題集を解くのもおすすめです。

なお、この一般知識ですが「足切り」があります。法令科目は簡単に思われる受験生の方でも、一般知識で足元をすくわれる場合があります。行政書士講師ブログ等で試験対策の情報を収集されるのもおすすめです。

結論としては、司法試験の短答式のシミュレーション・前哨戦として受験されるのであれば、その必要性は低いのかなと思います。もっとも、短答式試験は翌年5月のしかも数日に亘る論文試験の後という極限状態での受験です。また直前期に短答式プロパーの学習をされる受験生の方も多いと思いますが、意外と時間が捻出できないものです。

さらに翌年5月の実施なので、短答式対策の学習にも「中だるみ」がでることも考えられます。このような視点からは行政書士試験の受験もありなのかな、と考えます。

もちろん論文試験対策の学習をしっかり取り組んでおけば、完全整理択一六法などの書籍を繰り返すことで短答式の細かい知識も短期間でフォローすることは可能だと思います(受験新報の合格者体験記などでもそのようなケースが見られる)。したがって、

  1. 現時点での論文試験対策の学習の進み具合
  2. 過去の受験の有無
  3. 捻出できる学習時間
  4. 一般知識(教養)の自信具合(予備試験受験生は有利?)

など総合的に判断して、ダブル受験をされるか否かを判断されるのがおすすめです。

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