2017年11月12日(日)に行われた平成29年度行政書士試験。平成27年度の合格率が13%、28年度が9%と高かったため、平成29年度は試験が難しくなるとの予想があります。
焦っている受験生の方もいらっしゃると思いますが、まずは冷静に試験の分析をすることが大切です。
そして一部の大手スクールでは、早くも講評動画を公開しています。本試験終了直後に収録された動画であるため、最終的な評価ではありませんが、平成29年度行政書士試験の難易度を知るのに参考になると思います。
なおLECやフォーサイト、伊藤塾などでは解答速報の公開を行っています。割れ問がなければ2~3校程度の解答速報を確認されれば良いでしょう。もちろん記述式の解答はスクールにより若干異なる場合があります。キーワードを中心に比較検討されるといいでしょう。
2024行政書士試験解答速報!記述式は?一般知識は?【難易度と記述式採点】
行政書士試験は絶対評価(6割)で合格が決まりますが、実際には択一等の難易度により記述式の採点が変わるなど相対評価の試験です。 また足切りのある一般知識など、法令科目を一生懸命勉強したのに門前払いになる ...
続きを見る
【講評】多肢選択式・記述式の難易度は?
フォーサイト行政書士講座では、早くも講評が掲載されています。この講評を一部引用すると『法令科目については、まず、択一式については、内容の難易度はさておき、比較的オーソドックスな出題が多かったと思います。一部には、受験生の動揺を誘うような出題形式が散見されますが、予想の範囲内といえるものでしょう。
(中略) 最後に、記述式については、昨年同様に難しい印象でした。特に行政法については、その印象が強いです。』とあります(2017年11月12日現在の講評です。今後評価が変更になる場合があります)。
なおフォーサイトの講評ページには法令の各科目の講評のほか、多肢選択式・記述式のそれぞれの難易度や出題傾向など詳細な分析が掲載されていますので、今回の行政書士試験を受験された方はご覧になると良いでしょう。
▲フォーサイト行政書士講座(2017年行政書士試験講評ページから、講評動画の掲載も)
【講評】法令科目の難易度は?
行政書士試験のメインであるのが、法令科目(憲法・行政法・民法など)です。やはり択一で着実に得点が取れるか?これがポイントです。
そして受験生の方におすすめなのが、東京法経学院による講評です。総論のほか、全科目(一般知識、記述式を含む)について解説をしています。
[全体講評]
五肢択一式は,例年より若干易しいように思われますが,多肢選択式の難易度は上がっています。また,一般知識等は,いわゆる知識問題が多く,難易度が若干高くなったように感じます。ですので,合否は,記述式問題の出来如何にかかっています。問題46を完答され,問題44及び問題45において,落としてはならないキーワードを書けた方が合格の栄冠を勝ち取られるのではないでしょうか。引用 東京法経学院
▲東京法経学院「講評」ページから
講評動画【速報版】
フォーサイト行政書士講座
フォーサイトの福澤繁樹先生による講評動画(速報版)です。約22分に亘りコメントされています。
伊藤塾行政書士講座
伊藤塾による速報版の講評動画「2017年行政書士本試験後 講師メッセージ」です。伊藤塾行政書士講座の志水晋介先生が開設されています。各科目別に難易度も掲載されており、とても参考になると思います。
LEC行政書士講座
LEC行政書士講座による速報版動画「平成29年度行政書士本試験講評動画(解説担当は内谷克章LEC専任講師)」です。受験生の目線で試験の分析をされています。
ユーキャン行政書士講座
ユーキャン行政書士講座の海野先生らによる動画解説『平成29年度行政書士試験・解答速報&講評動画「~本試験を斬る!~」』です。13分とコンパクトながら、科目別の難易度を提示するなどおすすめの解説です。
TAC行政書士講座
TACの主力級講師の神田理生先生による解答速報会動画です。前半(約60分)と後半部分(約3分)の2部構成ですが、後半の3分は割愛します。
【動画】【TAC行政書士】「平成29年度 本試験 解答解説会」その①
択一の難易度により、記述式の採点に影響も?
今まで見た講評動画や講評を見て分かることは、択一は「標準的」という分析です。
私が合格した年度は「択一が易しい」「記述式の採点が厳しい」内容でした。確定的ではありませんが、「択一が易しい~標準的」な年度は、記述の採点が厳しくなる傾向が見られます。
そして今年度の記述式問題は、平成27年の財産分与のような細かい論点ではないものの、行政法の問題44など全体的に難しい出題です。
したがって記述式の採点次第で、合格が決まるような感じです。
今後すべきこと
受験生の方が今後すべきことは、各スクールで実施されている「無料成績診断サービス」や「記述式無料採点サービス」を利用することです。
択一を中心とした無料成績診断は、伊藤塾行政書士講座、資格の大原などが大手スクールを中心に実施しています。
なお記述式の無料採点サービスは、LEC行政書士講座、TAC行政書士講座、資格スクエアで行う予定です
参考記事 【行政書士試験】記述式無料採点サービス、TAC・LEC・資格スクエアまとめ | 速報試験ニュース
合格発表は2018年1月31日、時間を無駄にしないように
2017年度行政書士試験の合格発表は、2018年1月31日とかなり先です。不安になって時間を無駄にすることだけは、避けましょう。
行政書士試験は、宅建や社労士などとのダブル合格を目指す方も少なくありません。ダブル合格により業務の拡大が期待できるからです。
もっとも宅建や社労士試験は年に1回の実施です。おすすめなのが、FP(ファイナンシャルプランナー)です。年に3回の実施、しかも出題科目には「不動産」「相続」など、行政書士試験と近い分野が少なくありません。
-
FP2級の合格が濃厚と、2級合否判定サイトについて
日本FP協会2級の試験を受けてきました。試験会場が駅から遠く、疲れた一日となりました。 解答速報で予想得点を知る! さて模範解答が日本FP協会から公表されています(試験日の午後5時30分から)。こちら ...
続きを見る
また宅建をはじめ、FP、管理業務主任者試験などに次々に合格した元力士も。
-
元力士の隆乃若が宅建・FPなど難関試験に次々合格していた!
以前にヤフーニュースで見たのですが、元力士の方が宅建試験や管理業務主任者試験、ファイナンシャルプランナーなど難関資格に次々合格したようです。 最近の宅建試験(平成27年度からは宅建士に格上げ)は合格も ...
続きを見る
さらに司法試験予備試験の合格を目指すならば、この記事が興味深いです。
-
司法試験に合格したジュノンボーイの河野玄斗さん、婦人警察官、元Jリーガーも!さくらまやは?
法律系の難関資格である司法試験。合格率が上昇傾向にある新司法試験ですが、それでもなお合格が難しい国家資格のひとつです。 司法試験に合格したジュノンボーイがいた! そんな難関の司法試験に合格したジュノン ...
続きを見る
いかがでしょうか、ダブル合格を目指している方は結構多い印象です。ビジネスチャンスの拡大も期待できますが、生活防衛の面でも選択肢を増やすことは、重要な戦略のひとつだと思います。