民法が私法の代表である理由
ビジネス法務検定で学習する法律の中で、最も重要なのが民法です。私法の中でもっとも重要と言ってもいいでしょう。
その理由として、民法は市民間の関係を規律する法律である点です。企業も同じく規律されます。もちろん法律として商法・会社法もありますが、民法を土台とした発展形です。
以上の点から民法は私法の中で基礎となる重要な位置を占めています。
したがって民法がマスターできれば、商法・会社法のマスターもスムーズにいくはずです。
私法と公法の違い
順序が逆になりましたが、私法と公法の違いについて。
私法は市民間の関係を規律する法律(横の関係)、それに対して公法は国家と市民との間で登場する法律です(行政法など、縦の関係)。
私法も公法も成文法であり、代表的な法律は手元にある六法(コンパクト六法など)で確認できると思います。
成文法の対になるのが、不文法です
私法の四大原則とは?
この私法ですが、4つの大原則があります。今でこそ自由な世の中となりましたが、大原則ができた歴史的背景など、テキストで確認されると理解が進むでしょう。
権利能力平等の原則
人が生まれると自動的に権利能力が得られます。例えていうと、取引ゲームのプレーヤーとしての入場資格が得られた、そんなイメージです。
そして言うまでもなく平等に扱われる、そんな原則です。
私的自治の原則
市民間では何でも自由に契約できるというイメージです。民法の債権編では13の典型的な契約形態が載っていますが、それ以外にも自由に契約できます(典型契約に対し、無名契約と呼ばれる)。
もちろん公序良俗に反する契約は認められません。愛人契約などです。
所有権絶対の原則
お金を出せば土地が買えて所有権を得ます。この所有権は誰にも邪魔されない(侵害されない)、そんなイメージです。
今では信じられませんが、歴史的にはそうでない時期もあり、先人たちの努力によって「所有権絶対の原則」が確立されました。
過失責任主義
「故意(わざと)」「過失(うっかり)」がないと責任が問われないという原則です。
これに対し条文によっては無過失責任が規定されているケースもあります。ただしその場合も不可抗力ならば免責されます。
まとめ
ここまで私法と公法の違い、私法の四大原則についてまとめてきました。
ビジネス実務法務検定3級では、直接問われることはそう多くはありませんが、これから学習する民法でも土台・基礎となる部分です。ぜひマスターしておきたいものです。